自転車のコンポーネントとは、ディレイラー(変速機)・ブレーキ・クランク・レバーなどの機械類を総称した呼び名で、ロードバイクやクロスバイクなどスポーツバイクを語る上で非常に重要なパーツです。
自転車の値段にもっとも影響するのがコンポーネントの違いで、実際の走りにも影響するのがコンポーネントの違いです。
今現在、ロードバイクやクロスバイクで主流となっているメーカーは「日本のSHIMANO(シマノ)」と「イタリアのCampagnolo(カンパニョーロ)」ですが、日本で走る自転車にはシマノ製のコンポーネントが使われることが多いです。
大きく値段に差が出るコンポーネントの違い。実際の走りにも影響すると言われていますが、具体的に何が違ってくるのでしょうか?
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コンポーネントの違い
コンポーネントのグレードによる違いは、安いコンポーネントと高いコンポーネントを乗り比べると一般のサイクリストでもハッキリわかります。
具体的には以下のような違いがあります。
- 軽さ、剛性、耐久性
- 回転の滑らかさ
- ギアチェンジのスムーズ感
- レスポンスの良さ(踏み込んだときの反応)
- スピード域への達成速度
軽さ、剛性、耐久性
ちょっと抽象的な表現になりますが、質の良いコンポーネントは走ったときの軽さにつながります。走っていて「心地いいなー」と感じるのは、高いコンポーネントで走っているときです。
質の良いコンポーネントは剛性や耐久性もあり、かなりヘビーユーザーで、自転車に毎日乗って週末はロングライドするような使い方でも、ほとんどヘタれることがありません。
回転の滑らかさ
質の良いコンポーネントは、ディレーラーの回転も非常にスムーズ。
「足で頑張って漕ぐ」というより「勝手に回転してくれる」というような感覚になり、ガチャガチャと漕ぐのではなく、スーッと自然にそれでいて力強い加速が味わえます。
ギアチェンジがスムーズ
ギアチェンジもスムーズです。
変速の間のラグが少なくスムーズにつながるので、変速時の減速のロスがほとんどありません。素早くスムーズに切り替わって、すぐに加速することができます。
レスポンスの良さ
踏み込んだときの反応、レスポンスの良さが抜群です。
自転車が踏み込みの強弱、踏み込んだときの力具合、気分を察知してくれるような感覚を返してくれるので、やみつきになります。
スピード域への達成速度
自分が出したいスピードへの時間が短くすぐに理想のスピードの到達できます。
これはギアチェンジのときのロスの少なさ、スムーズな加速反応をコンポーネントが返してくれるおかげです。
コンポーネントの比較方法
コンポーネントを比較するときは、できるだけ安いコンポーネントと高いコンポーネントで比較するようにしましょう。
例えば、コンポーネントで有名な「シマノ」には「Dura-Ace」と「ULTEGRA」という高性能のコンポーネントがあります。僕は正直この2つの違いが全くわかりません。どちらも性能が良すぎるので(笑)
ですが、例えば「ULTEGRA」とエントリーモデルの「SORA」の違いはハッキリわかります。回転の滑らかさ、反応の良さ、強く踏み込んだ時の反発力は、高剛性を持つ高性能コンポーネントならではの乗り味があります。
踏み込んだ時の加速の反応や、自分の求めるスピード域までの達成速度も滑らかで、急加速時やギアチェンジを頻繁に行う場面ではやはり性能に差が出るでしょう。
ロードバイクで大会にも頻繁に出たいという人は、最低でもシマノ製の「105」くらいは搭載しておいた方がいいでしょうね。
コンポーネントの選び方
クロスバイクの場合、上位のコンポーネントが搭載されている車種はほとんどありません。またロードバイク用のコンポーネントだけではなく、マウンテンバイク用のコンポーネントが搭載されている場合も多々あります。
それは多くの場合「街乗り」「ツーリング」をメインとして設計されているからであり、ロードレースのようなシビアな性能を求めるコンポーネントが必要ないからです。初心者の場合、フロントダブル(フロントのギアが2枚)よりもフロントトリプル(フロントのギアが3枚)で状況に応じて細かくギアチェンジした方がいいケースがあります。
そのため、
- 街乗り中心ならフロントトリプル
- スピードを求めるならフロントダブル
という基準がコンポーネントの選び方の目安です。
ですが、クロスバイクの場合、車種に搭載されるコンポーネントは決まっているし、自分でコンポーネントを変えるものでもありません。
クロスバイクの場合はあまりコンポーネントにこだわらず、
- 街乗り中心か?ロングライド中心か?
- ゆっくり走りたいか?スピード派か?
- 砂利道なども走りたいのか?
など、自分の走りに合わせて、各メーカーのラインナップで自分の希望の走り方に合った自転車を選ぶようにしましょう。
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シマノ製のロードバイク用コンポーネント
コンポーネントといえばシマノ。シマノといえばコンポーネントというくらい有名なメーカーです。コンポーネントの種類と特徴を簡単にまとめます。
Dura-Ace
SHIMANO最高のロードバイク用コンポーネント。
ツール・ド・フランスでも使用されたコンポーネントで、軽さ・剛性・耐久性の全てにおいて最上級のコンポーネントです。
ULTEGRA
Dura-Aceの下位モデルとなりますが、一般サイクリストにはデュラエースとの違いはわかりません・・・ちょっと言いすぎですね。少なくとも僕にはわかりません(笑)
市民サイクリストの選ぶコンポーネントの中では最上級と捉えるべきコンポーネントだと思います。
105
ロードレースにガンガン出場して走りを追求したい、という一般サイクリストがまず選ぶべきコンポーネントです。
値段もお手頃で、性能も文句なしなので、シマノ製コンポーネントの中でも人気の高いモデルとなっています。
Tiagra
ロードレースもツーリングも楽しめてそれなりに走ることができるコンポーネント。
クロスバイクで考えればかなり高性能のコンポーネントで「TIAGRA(ティアグラ)の価格でこの性能が出せるのか?」と驚きもある質の良いコンポーネントです。
ですが、上位モデルと比較すると差を感じてしまいますね。
SORA
エントリークラスのロードバイクに装着されるコンポーネント。
ロードバイクに初めて乗る人向けのお安いコンポーネントでもあります。近年、クロスバイクにも続々搭載されるようになりました。
TOURNEY/CLARIS
クロスバイクに搭載されるエントリーコンポーネント。
5万円~10万円台のエントリーモデルのクロスバイクに最も搭載されるコンポーネントで、値段なりと言ってしまえばそれまでですが、よくできたコンポーネントだと思います。
一般サイクリストにはあまり関係ない
ここまでコンポーネントの違いについて説明してきましたが、一般サイクリストにとって、コンポーネントの違いは走りの速さに関してはあまり影響を与えません。
影響がないと言うよりも、一般サイクリストの場合、走りに影響がでるのはコンポーネント以外の部分が大きいため、コンポーネントの違いの影響が小さいのです。
例えば、僕自身を例にとってみましょう。
僕が乗っているロードバイクに搭載しているコンポーネントは、シマノ製の「TIAGRA(ティアグラ)」です。ティアグラといえば、ロードバイクのエントリー的位置づけのコンポーネントで、決して上級のコンポーネントでなければ、高いコンポーネントでもありません。
ですが僕は、地元で開催されるヒルクライムの大会ではそこそこの順位でゴールします。僕の後ろでゴールする人は、「105」や「ULTEGRA」といった僕のティアグラよりも全然高価で質の良いコンポーネントを搭載している人が沢山います。
つまり、一般的な市民サイクリストにとって、コンポーネントの違いよりも、走りそのもの、漕ぎ方・体の使い方・体力の違いが大きく影響します。
プロサイクリストのような、ある程度自転車の走行技術が確立された状態か、走行技術・体力的に同じレベルの人同士の比較で初めて大きく影響してくるのがコンポーネントの違いです。
ですので、一般人やクロスバイクを楽しむ目的の自転車選びでは、コンポーネントを意識する必要はほとんどないと言ってもいいでしょう。
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