自転車はタイヤで走る乗り物です。
ペダルを漕いで生まれた力をタイヤを回して地面に推進力として伝えるため、当然のことながら、タイヤの良し悪しで走りは大きく変わります。
タイヤを履き替えただけで全く違う走りを実感できますし、細かく空気圧を変えるだけでも乗り心地や加速性に違いが出てきます。
クロスバイクやロードバイクなどのスポーツバイクは、タイヤは頻繁に交換する前提で設計しているため、タイヤ・ホイールの交換は自分でも簡単にできます。
もし、現状の走りが物足りない、少し印象を変えてみたい、と思っているのであれば、まずはタイヤ交換・ホイール交換を検討してみてはいかかでしょうか?
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クロスバイクに使われているタイヤ・ホイール
最近のクロスバイクは、フレームに使用されている材質や設計、変速機などコンポーネントもしっかりしたものが使われていて、10万円を切る価格帯で驚くほどの高性能の自転車となっています。
ただ、唯一弱点だと思っているのがタイヤとホイールです。
全体的なパーツのバランスを見て、タイヤとホイールだけが一歩も二歩も遅れている印象です。
走りに直接影響するパーツだけに、走った印象も厳しめになってしまいますが、初期状態で装備されるタイヤとホイールの性能がもう少し向上すれば、文句なく最高のシティ派スポーツバイクとなるのですが・・・
タイヤの種類
スポーツバイクのタイヤは大きく3種類に分かれます。
1.クリンチャー
2.チューブラー
3.チューブレス
1.クリンチャー
最も一般的なタイヤで、タイヤのゴムの中にチューブを入れるタイプです。
市販のクロスバイクのほとんどがクリンチャータイプとなり、値段が安く、装着・パンク修理などのメンテナンス性にも優れています。
タイヤがパンクしたときは、中のチューブを交換するだけですので、個人でも簡単に交換できますし、交換後すぐに乗り出すことが可能です。
「リム打ちパンクしやすい※」「部品が重くなりやすい」というデメリットもありますが、近年では走行性能も確実に向上し、チューブラータイプと同等レベルの性能を持つタイヤとなっています。
※リム打ちパンクとは、段差などを乗り越えるときに、地面とリムにチューブが挟まれて穴が開きパンクすることです。空気圧調整の甘いタイヤで発生するので、空気圧調整を小まめに行い、スピードを落として段差に入れば起きないパンクです。
2.チューブラー
タイヤのゴムにチューブが縫い込まれているタイプで、接着剤や両面テープを使用してリムに装着するタイヤです。
軽量で乗り心地が良いのが特徴です。
空気圧をかなり高めに設定することができるので、ぺダリングしてからスピードに乗るまでの加速で差を感じることができると思います。
接着剤で取り付けるタイプですので、当然のことながら専用のホイールとリムが必要で、クリンチャーよりも高価になります。
また、基本的には使い捨てとなるので、プロの競技者でない限りチューブラーを使う必要性は薄れつつあります。
※但し、ロードバイクなどトップレベルのカーボンホイールでは、軽さを重視するためまだまだチューブラーも使用されています。
3.チューブレス
その名の通りチューブのないタイヤで、構造は自動車のタイヤと一緒です。
私自身、チューブレスタイヤだけは乗ったことがないのですが「チューブが無い分空気が多く入るので走りがしなやかになる」「チューブとタイヤの摩擦がないのでパワーロスが少ない」と言われています。
一方で、車のタイヤと一緒でホイールへの装着は個人では不可能で、リムとの境目より空気漏れが発生するケースもあるようです。
市販されている種類も少ないため、クロスバイクではチューブレスタイヤを選ぶことはないでしょう。
タイヤの性能・値段
タイヤの種類の違いもありますが、値段による性能差もあります。
レース用の高級タイヤとなれば、1本1万円以上は当たり前ですし、練習用や普通のサイクリング・街乗り用であれば1,000円くらいで購入できます。
タイヤの軽さ・走行性能・衝撃吸収性・耐久性は大体値段に比例するので、値段の高いタイヤが性能もよく乗り心地もよいと言えます。
但し、耐久性に関しては安い練習用のタイヤの方がある場合があります。
一般的に耐久性が高いということはゴムが厚くなり、重量が重くなるため、走行性能を犠牲にして耐久性を高めているからです。
クリンチャーからチューブラーに替えるだけで、全く違う走りを実感できますし、同じクリンチャーでもメーカーや値段の違いで印象が大きく変わります。
タイヤは自転車を動かすために無くてはならないパーツであるとともに、自分でも簡単に替えることのできるパーツです。
パンクや消耗による交換を機に、一段上のタイヤに履き替えてみてはいかかがでしょうか?